彼女が厚くなった訳



皆から愛される、彼自慢の一人娘。

気品漂う、美しいブロンドの髪。
亡き母親譲りの整ったかんばせ。
微笑みたくなる、たおやかな仕草。
思わず息を呑む、やさしさ溢れる笑顔。

たった一人の愛娘、ライム。

ライナーク国王リチャードは、溺愛とえるほど娘をいとおしんでいた。
そして彼女もまた、決して甘えてばかりではないが、父を心から愛していた。

しかし、ズレが生じることは、どんなに絆が深くともあり得ることだ。

ライムはあるときから、父親にほんの僅かな猜疑心を持った。
それでも父親の愛という形に真っ向から答えた彼女は…健気だったと言えよう。


「ライムや、お前の新しいドレスをわしが選んでやったぞ。…お前は母さんに似てとても美人だからな、きっと似合うはずじゃ」
「お父様…これを私に……」
 手渡されたドレスは…ヒラヒラの超ミニスカート、くわえて肩も露な純白のドレス。…さらに、白いハイヒールも一緒。
 ライムは言葉に詰まった。まじまじとドレスを見て、秀麗な眉目をひそめる。
「うん? どうしたのじゃ、ライム。 まさか…嬉しくないのか…?」
「だって…お父様、これ……」
 言い返そうとしたライムは、顔を上げて父親の顔を見た。
 心から落胆したような、ひどく寂しげで悲しい顔――
 紛れも無く、その顔が示している。例え自分には到底理解できないものでも…これは愛だった。ひとつの形であった。
 ライムは一瞬にして気づくと、無理やりであったが笑顔を作った。
「えっと…あのね…これ、凄く素敵なドレスだから、思わず見とれちゃって…! あ、ありがとう、お父様!」


 彼女は、父の愛に答えたのだ。
 それが後の事件に起因することであったかは…実際のところ定かではない。
 が、リチャードの中ではそのように出来あがってしまった。
 娘を思うがゆえの、悲しい父親の性かもしれなかったが…。

■□

 ラクナマイトに突然現れ、平和なライナークへも侵攻を始めた魔王、黒魔龍ゲザガイン。
 一度は追い詰められる寸前にまで迫ったゲザガインの軍団は、リイム率いる勇者軍の続く勝利による攻勢によって、初めて守りに徹する姿勢をみせた。
 要塞に主力となる魔物を集め、一気に返り討ちにする事を画策しているのだろう――
 リチャードはそう考えた。
 そして、こうも考えたのだ。
 魔龍軍行動の、唯一の拠点にもなっているそこを落とせば、ゲザガインといえど撤退するしか余儀ないはずだ――と。
 リチャードはリイムに要塞攻略を命じ、全てを任せた。
 信じていた。見事リイムは、魔龍軍の要塞を落とすことに成功した。
 だが…その途中で予想外の奇襲を受ける。向こうが一枚上手だった。
 城は蹂躙され、姫は敵の手に落ちた…。

「ククク…我等を見くびっていたようですね、王よ。あの程度の要塞など、いくらでも代りを用意できるのですよ。つまり、向こうは…ただの囮というわけです。クックック…残念でしたねぇ…」
 ゲザガインの四魔将が一人、バンパイアのバンピーが卑しく笑った。
「これにこりて、我等には二度と逆らわないことですね。…おとなしく素直に従えば、生かしておいては上げましょう。その代わり、貴方の後ろにいる姫を頂きます。ゲザガイン様に見初められて、光栄の身と思いなさい」
 バンピーが大仰に漆黒のマントを翻し、こちらに寄ってくる。
「何! 娘は絶対渡さんぞ! …渡してなるものか!」
 構えとり、娘を下がらせながら、自らもじりじりと後退する。
「フフフ…無駄なあがきですよ。……ほら…もう後が無いでしょう?」
 バンピーの言うとおり壁際まで後退すれば、左右にはガーゴイル、前方には嘲る面構えの奴自身。
 絶対絶命だった。
「…くっ…わしは渡さぬ! 貴様等魔界の者どもにも屈しはせぬ…! かかってくるがよい!」
 精一杯の威嚇を込めて、前方を睨んだ矢先――
「…まって! 私は貴方達と行きます! …だから! 父にもこの国の人達にも……もう手を出さないで!!!」
 ライムが自分の後ろより飛び出して叫んだ。
 すると、バンピーが突然表情を変えたのだ。
「え…あ〜う…?」
 そんな言葉が、だらしなく開かれた口から漏れた。そして、顔を怪訝に歪める。
「う…う〜ん…何とも…破廉恥(死語)な格好の姫ですね…。まさかゲザガイン様は、このような格好をしているからこの姫を選んだんでしょうかね……いや、中身は確かに上玉ですから、そうとは言いきれませんが……しかし……なぁ…これは…ちょっと…」
 そんなつぶやきが聞こえたような、聞こえなかったような。
 とにかく、その時は現在の状況に気づき、我にかえって叫んでいた。
「ラ…ライム…! だ、駄目じゃ! 行っては駄目じゃ! そやつらがお前の言うことなど守るはずがない! 行ってはならん、戻って参れ!」
 慌てて娘の肩を掴んで引き戻そうとした。――が、一歩遅かった。
 伸ばした手は追いつかず、虚空を掴むことしか出来なかった。
 凛としてバンピーの元へ歩く娘の背中が、途中で振り返る。いつものやさしげな眼差しが、心を打った。
「お父様…お元気で…。私はいつも、お父様の事を想います…」
「ラ…ライム…」
「…ハッ! そうでした! この娘の格好など、私にはどうでも良い事…。気を取りなおして…」
 バンピーがバサリとマントを広げた。
「クククッ…素直で実に結構…。感謝しなさい、自分の娘に! そしてこの私に! 抗った貴方は、本来ならばここで終わらせるつもりでしたが…この娘に免じて許して上げましょう、特別にね…」
 そういった後、バンピーはライムを連れ去って行った…。
 力が抜け、身体が地面にくず折れた。


 リチャードは少なからず後悔していた。
 娘にあのような、親としても魅惑的なドレスを着せたのが、やはり間違いであったと。

 ――元々がよいライムに、さらに魅力を引き立てる姿をさせれば、魔物が惹きつけられる!

 だから、勇者軍の必死な奮戦のおかげで姫を取り戻すことが出来た後(ついでにゲザガインも討っていた)に――それようの手を打ったつもりだった。
 後に、結局まだ駄目だという結論に、至ることになるのだが…。

■□

「…お主…! …確かリイム達と一緒にいた……」
 リイム達が失われた魔封じの水晶、サンクリスタルを復活させるため、バベルの塔に出向いていた時だった。
 予定では今日にもクリスタルは復活すると、情報が入っていたが――
 城に急襲してきた魔物達。それを率いていたのは、いつのまにか勇者軍の中にいた男だった。
 おそらくだが…傍らに、リイム達から聞いていた立ち塞がる魔物――いかついミノタウロスが控えている。
「…そうか…騙していたというのか……そしてお主が、黒幕だったのだな…」
 リイムの純真な、魔物とも心を通わせるほどの人の良さが、裏目にでた。話では、ダイナの街で倒れていたところを魔物に襲われそうになっていた、旅の戦士ということだった。…この男は。
「察しがよろしいですね、王様。…そう、俺はサンクリスタルを手に入れる為、あいつ等を騙していたって訳です。少ないながら鋭い奴もいたせいか、演技には骨をおりましたが…」
「一体、どのようなつもりでサンクリスタルを!? 何を企んでおった!?」
「フ…リイム達から、少しは話を聞いていませんでしたか? 俺は親父の傷を治す為に旅をしていたんですよ、事実ね…。だから復活させたんですよ、黒魔龍ゲザガインを」
 一笑する男。
「!? なんと…お主はゲザガインの…!」
 驚愕し、絶句した。はっきりって男の容姿は全く似てないのだ、父親のそれと。あえて接点を見付けようとすれば、髪が黒いことぐらいか。…ゲザガインには、髭はあっても髪はないが。
 …まあ、自分とライムも似ていなかったが。…まあ、父と娘では性別からして違うが。……当然年齢だって違いすぎるが。
 …少し寂しいなぁ。
「? 何だ…? 何か様子が変わったな…」
 思わず震えて、涙ぐみそうになったこちらを見て言ったらしい。
 その怪訝そうな顔が戻って、横をちらりと見たとき、慌てて気づく。
「――お父様!」
 横手から叫んで、ライムがこちらへと飛び出してきた。
「馬鹿者! 何故出てきた!? 隠れていなさいと、言ったであろう!」
 部屋に鍵を掛けておけば良かったと、自らの甘さを責めると同時に、娘を叱咤する。
「だって…このままではお父様が……私…」
 ライムは気遣わしげな瞳で見上げてきた。潤む瞳が、こちらの言葉を失わせる。
「フン…まさに見せてくれる場面だな…。…まあ、少しだけ探す手間が省けたというものだ」
 面白くもなさそうな男の声。言葉を聞いて、キッと相手を睨む。
 奴等の目的が、まただったとは…!
 予想通りの言葉が続く。
「ライム姫には、俺達と一緒にお出で頂きましょう」
「クッ…貴様の望みもライムなのか…!」
 分かった時点で予想通りであったが、展開自体は予想外であった。…手は打っておいたはずなのに。
「俺は貴方の娘に興味などありませんよ…。姫を所望しているのは親父です」
 近づきつつ男。
 その言葉も、全くの予想外だった。
「何だと…ゲザガインがまたッ!? 何故だ…ッ!?」
 驚愕が身体中にかけぬける。にわかには信じられなかった。
「生憎俺は知りません。生贄として無傷のままつれてこい、とのわがままを聞く、悲しい使い走りですからね…。よほど気に入ったと見ますが」
 静かに迫ってくる。
 阻もうとするため、半歩前に出て神経を研ぎ澄ませば…側に居るライムの震えが僅かに伝わってきた。
 すると男に向かい、精一杯の大声で疑念と絶望を投げつける自身がそこにいた。
「解らぬ…全くもって解らぬ…! 一体何故だ! 姫の姿を見よ! いかにも可憐で乙女チックな普通のドレスだぞ!? 素足はおろか肩すら出てないぞ!? 前のような過激な格好ではないのに! …ゲザガインはその手が趣味ではなかったのか!? 魔物は悩殺されるような姿が好みではないのか…ッ!? だから前のドレスを惜しみつつも、このありがちで平々凡々なドレスに決めたのに…! そうすればもう何の心配も無いと思っていたのに…っ! おかしいではないか! わしが苦悩の末選択したこのドレスは…何だったと言うのだッ!!!」
 直後、男の足が止まった。いや…何か全てが止まったような感覚だった…? 後ろのライムも…?
『………』
 沈黙する男の端整な顔が、何故か随分と崩れている。何とも形容しがたい顔。
「…???」
 おかしい。その場は明らかに変だった。人が真剣に娘を守ろうとしているところを、まるで拍子抜けしたかのように連中は。
 しかし、すぐに気がついた。なるほど、魔物の考えそうな手だと。
「…そうか…ここでわしの油断を誘って、ライムを奪い去るつもりだな…?」
「どアホかッ! 全くもって外れまくったどえらい検討違いの世紀末的勘違いだアンポンタン!!! っていうか、何であんな台詞を当然と吐ける!?」
「ス…スカッシュ様…お気持ちはわかりますが落ちついて…」
 即座咆えてきた、ゲザガインの息子スカッシュ(野郎なので名前は聞いていたが忘れていた)を、ミノタウロスがおろおろしながらなだめだした。
「止めるなブラック! 俺が一発ぶっ飛ばす! そうしないと気が済まん! これは絶対この世のためだ!」
「お言葉ですが、スカッシュ様ご自身が手を下すまでもありませんよ! それにもし、触って御身にあんなのが移ったらどうするんですかっ!? やるんならこの俺がします!」
 何やら好き放題言っているが…一体誰の話だろうと首を捻る。
「お父様…お父様って……実はやっぱり…」
 後ろからそんなつぶやきが聞こえ、下がった音がした。
 敵が目の前に居る状況上、肩越しに振り返ると、いつもとは違った眼差しでこちらを見るライムがいた。
 恐怖と軽蔑と否定と…そんなものが少しずつ集まったかのような瞳。
 見れば、怒りがふつふつと沸いてきた。相手をこれでもかというほど睨みつける。
 ――おのれ! よくも可愛いライムをこのような目に! 絶対に許さんぞ、魔物ども!!!
「……俺としたことが、思わず我を忘れていたか…。今は姫をつれて一旦戻るのが先決だったな…」
「そうですよ、こんな奴にいつまでも構っていないで、さっさと事を終わらせてしまいましょう、ブモー」
 向こうは折り合いがついたのか、こちらを静かに向いてきた。
「……くそ…やりにくい…」
 嫌そうな目をして、スカッシュは息を整えたようだった。そして目を僅か閉じる。
 次に開かれたとき――その前の目は既に無い。
「むっ…! 貴様等などに娘は渡さん! 怒れるこのわしの鉄拳を受けるがよい!」
 静かに腰を落とし、構えを取る。
「…無駄な抵抗はおやめください」
 スカッシュは一歩出た。
「黙れ! 黙れ! 娘は絶対に渡さん! 断じて渡さん! 断固として阻止する!」
 ライムを庇って、こちらも一歩でる。
「……。仕方ない…少々痛い目にあってもらいましょうか…。――ブラック!」
 スカッシュの掛け声が飛べば――
「ハッ」
 応答したブラックの身体が即時動いていた。
「…なっ!?」
 目の前に居る――
 刹那の時。気づいても遅い――しまった――
「うわー いたいー」
 口が悲鳴を上げて、身体が飛んでいた。それが壁におもいっきり叩きつけられた。
「…う…」
 それから後の事は…立ちあがろうとするも意識が遠のいていって…誰が誰かの言葉かも…
「お父様!!!」
「……何だ…うわーいたいって? 痛いからって、普通言うか…? あれって悲鳴か…?」
「スカッシュ様…もうあれは一切無視して先に進みましょう!」
「ん…ああ、分かった。考えるのも馬鹿馬鹿しいか…。…さあライム姫、覚悟はよろしいですか…大人しく来ていただけますね…?」
「…お…お父様ったら…いくらなんでも呆気なさすぎ…」
「その気持ち、わからんでもないな……くわえてあれだろ……思わず同情しそうだ」
「――報告致します! 勇者軍が戻って来ました! 我が軍を蹴散らし、すぐそこまで来ています!」
「…ほう…さすがリイムだな…俺達が王のせいで無駄な時間を費やしていたとはいえ…かなり速い」

『そこまでだ、スカッシュ!』
 ………
 そこで完全に、意識が途切れた。


 リチャードが目を覚ました時、側にリイム達は居たものの、愛娘ライムの姿はなかった。
 二度もしてやられたことに切れ気味だったのと(城の修理代は恐ろしく高い)、またさらわれた姫の身を案じる心が、とうとう彼を決意させる。
 リチャードはそれらしい口実をつけて城を離れ、勇者軍と一緒にライムが連れ去られた魔界へと赴いた。そして、決戦地天空魔城にて見事ライムを発見、保護。ついでにゲザガインも倒し、一味を掃討する。
 出来事はリチャードにとってまた教訓となった。

 ――魔物は超愛らしいライムにも寄って来る!

 だから今度は、ライムに厳重装備――ドレスの外をごてごてに固めたのである。


「あの、お父様…凄く歩き辛いし、手も上げにくいのですが…」
 ライムは新しく用意された衣装を纏い、告げる。
「ライムや…辛抱するのじゃ。 これはお前が三度さらわれぬように、わしが毎日の一睡を惜しんで考えた、対魔物・対男用のドレスなのだよ…」
「……対って…」
 怪訝に――どうも最近露骨な気が――眉を潜めるライム。
「うむ…お前のさらに美しくなった姿をごてぼてにするのはわしとしても非常に辛いが…我慢しておくれ」
「……お父様って……やっぱり…ね」


 これでもう安心だ――
 そのリチャードの読みは、またしても外れてしまったのだ。

■□

 野望を秘めた男が火種。魔物が煽りしその炎。
 あまねく両国に戦火の兆し――
 七つの虹色の魔石が、彼等それぞれの鍵だった。

 最近嫌な予感は感じていたが…
 いつもながら急だった。突然に息を切らして入ってきた伝令兵。
 ただ事ではない様子に、勢いよく王座から腰を上げた。
「何事じゃ!?」
「た、大変です! 西より…敵襲です!」
「何…? まさかボンバーズか!?」
「それが…確認された標章はマテドラル! 魔物の姿も確認されました!」
「なッ…!? 何じゃと…! よもやマテドラルが、魔物のいる軍隊を編制して襲ってくるなど信じられん…一体向こうで何が起こっておるのだ… ハウサーは… 奴等の目的は……まさかッ!?」

 ライナーク王家に伝わる赤色の魔石。虹色の魔石のひとつ。
 それがカチューシャについているなど、ほんの一握の者しか知らなかったのに。

『姫はどこだ…!』
『くまなく探せ…! 必ず見つけ出せ…!』

 城内を疾走しようとしていた。
 周りに群がってくる新米のマテドラル兵の側面に蹴りを放ち、そして別兵の腹に気を込めた正拳を叩き込み、ついでに近くの足を払って、奪った槍でまわりをはらう。
 側を離れるべきではなかった――それはもはや後悔でしかなりえなかった。
「くっ…まっておれライム! 今度は必ず守ってみせるぞ! ってわけでわしは急いでおるのだ……群がってくるなぁ〜!!!」
 掴んだ頭を別の頭にぶつけ、屈んで後ろへ肘を突き出す――背中に倒れ込んできた兵士の腕を掴んで投げつけ、3人一緒に叩き伏す。
 異常と思えるぐらいに身体が熱い。考えるまでもなく体が動く。
「…ぐぅ…怒髪天をつく! 今日のわしはいつもとは違うぞ! 痛い思いをしたくなければ道を開けよ…!」
 言いつつ裏拳。

「おっと…お姫様はお借りしますよ」
「――ライム姫!」
 結局群がってきた全員折りたたんで、駆け付けたときにはその場面だった。
 リイムの呼びかけに、消えてしまったライムは答えられるはずもない場面――
 またもや魔物だった。姫をつれ去ったのは蒼い人狼。しかし、それはついでだった。
「…な…なんということじゃ…ライムが…魔石と一緒にライムがまたもぉ〜〜!!! あんなに厚くした意味全く無しぃぃぃ〜!? 娘の成長ぶりを見る楽しさが半減以上のあの格好は意味無しぃぃ!?」
 絶叫していた。
 これはあんまりだ。悪夢だ地獄だこの世の終わりだ。
「お、王様…? 厚くした意味って…???」
 リイムが近くで驚いていた。
 そして城はやっぱり…壊れていた。


 今度はおまけという形でさらわれたライム姫。
 リチャードは憔悴しきって行動することが出来ず、ライムのことはリイムに任せた。
 城内の時のように奮い起こそうとしても身体は動かず(極度の筋肉痛)、もはや老体には鞭打つことも叶わなくなったかと落ち込みもした。
 ライムは三度目も救出され…そしてリチャードは、また学んでいた。考えを少し変える。

 ――姫に貴重なものはつけない…!


 姫がさらわれるたび、ライナーク国王リチャード三世の苦悩は続く。
 そして王室は財政難に傾いてゆく。
 
おわり

 
<いい訳とあとがき>

リチャードファンの人には申し訳ないと思っておりますが、これはギャグです。フィクションのフィクションです。苦情は勘弁して下さい。
さて、内容ですが…だって…姫の格好って誰もが一度は何らかの疑問を持ちそうですよねぇ。「何であんなにミニスカート!?」とか「何だあの厚い衣装は!?」とか。2は別にないでしょうが…まあ1を知ってると、どうして普通になったのかと疑問がわかなくもないでしょう。それらを考えた末に、こういう話になったんですよねぇ…ははっ。
断っておきますが、私はこういうの作るのが凄く好きなわけじゃないですよ、ええ。ただ、話として出来そうなら何でも作るだけです、はい。…う〜ん、別に嫌いじゃないんですけどね、あくまでギャグとしてなら(苦笑)
小説は基本的にハードなシリアス系が好きで、もはやファンタジーしか読みません。昔はそうでもなかったのですが、最近はそういう傾向です。ま、月一ぐらいでしょっちゅう読んでもないですが。だからなのか…私が作ると全くリトマスっぽくないですねぇ…無理して合わす気もありませんが。
それにしても、全然リイムとモーモーがまともに出てきませんねぇ(苦笑)。いつになったらまともに出てくるんでしょう、私の作る話には…。う〜ん…リイムはかなり苦手なタイプのキャラですからね…。そしてまたスカッシュが出てますが、流れで出てきただけで、今回は出したかったわけでもなかったです。次も、もしかしたら彼が出る話かも…まだ未定ですが…。ふぅ…好きなキャラぐらい好きに出したいですねぇ…話が出れば(泣)
しっかし…実はやはりこういうのがすごく好きなんじゃなかろうかと、自分の本質を疑ってしまいます…他より抜きん出て完成早かったし…。会社で伝票と戯れていた時に考えたんですが(真面目に仕事してない)、帰って即行で打ちましたからね…あらすじ作らず、もう本文のみで。ほんと、今回は自分にしては速かった…出来と内容は置きますが(苦笑)。まあ、いつもと作り方違いますからねぇ、一概に言えませんがそれでも…やはりこれは速いなぁ。



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