温泉村を救え!
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小さな山々の間を広く削り、段を成している景観。肌を叩くような寒風の吹く地にあって、勇者軍が足を踏み入れたその村は暖かかった。地質上、ほのかな暖気、柔らかでしっとりとした空気に包まれ、しばらく余暇を過ごすとなれば落ち着けて良い場所と思えたが、起伏が多い村を縦横に繋いでいる路上には、話に聞いたとおり肝心な人の姿がほとんど見えなかった。勇者軍がいましがた迎えられ、通り抜けた看板でもある村のゲートには、イーユ温泉村と何とか確認できるかすれた赤茶の褪せた文字が、薄汚れた木の板に大きく書かれていた。主要な町村から離れた山奥地の人里であり、村民も多くはないと聞いていたが、村が遠目にざっと一望できる、やや高い位置の入り口に立つだけで、寂しく取り残されたような様子をひしひしと感じる。緑少なく、どこか中途半端に整地された岩肌が露出する敷地内に、造りの古さが目立つ家屋が存在しているが、隣との距離は離れていることが多く密集していない。それはこの村ならではの計画的な建て方で、人口に対する村の面積が相当に広いためでもある。だが、決してそのためだけに人の少なさを感じるのではない。そもそも村になければならない、必要な活気が失われ、そこにないのだった。単純に人数だけでなく、路上に点在する村人の面持ち自体が悄然として暗く、生活感ややる気が感じられないのである。――勇者軍が任務を帯びてやってきたイーユ温泉村はいま、絶望の只中にあるのだった。
「イーユ温泉村ですか。はい、聞いたことはあります。大陸最大の温泉……とても大きな露天風呂があるという村でしたよね」
王城の謁見の間で、勇者軍のリーダーであるリイムは、国王リチャードの問いに肯定した。白い鎧にマントを羽織った姿で、十八の歳にしては小柄。落ち着いた物腰で精悍さはなく、幼さが色濃く残る優しい顔立ちの騎士だが、雷光の騎士という王国にとって建国にも関わった特別な称号を国王より授かり、実力は国中の誰もが認める若者である。国外にもその功績が知れ渡る最たる活躍は、ラクナマイト大陸に攻め込んできた魔界の黒魔龍、ゲザガインを討ち取ったことであり、その他にも大きな事件をいくつも解決してきた。だから国王の厚い信頼はいうまでもなく、普段から魔物が関わる任務を担当しているため、早期解決を求める今回の事件については、真っ先に呼び出されたのが彼であった。
「うむ。それだけでなく、様々な温泉がある有名な温泉場じゃ。療養のための湯治客はもちろんだが、珍しさ目当ての観光客もかなりに上っておった。昔はとても賑わっておったのじゃが……」
王座に座るライナーク国王リチャード三世は、静かな威厳を宿す豊かな白い顎鬚に隠れる中で、僅かに嘆息して見せた。
その仕草に対して、大げさのようだが考える身振りをする者。
「いまは違うってことだよな。ってことは、誰も温泉に入らないのかモー?」
国王の前だというのに遠慮のない言動でいる者は、リイムの右隣に位置し、人間とは異なる体つきである牛頭人身の魔物、ミノタウロスであるモーモーだった。屈強な体力と怪力を誇る戦士であり、リイムの親友。また、彼の亡き父親ライトとも親友であったため、かなり前から王国に仕えている。そして、昔からこうだった。既に気心も知れており、リチャード自身が大らかな人物であるから、少々の無礼は咎めない。
「そうじゃ。温泉目当ての客は激減しておる。実はもう、何年も前からじゃが……」
「なんだ、最近の話じゃないのかモー。でも、一体全体、なんでなんだ?」
「――王国……ううん、大陸全土が危機だってときに、のんびり温泉なんて入れないわよ……」
浮かぬ顔で横手からモーモーの疑問に答えたのは、リイムの左隣にいるタムタムである。大きなリボンで髪をまとめ、いまは少し眉根を寄せた顔つきであるが、愛らしさのある若い娘。そんな彼女もまた、この場所にいるのはもっともな理由があった。国内では屈指の優秀な宮廷僧侶で、博識なライナークの考古学者、ねずみのラドックを師に持っている。勇者軍が出かける際は回復役、医療担当として付き従うのだ。
そして現在、謁見の間にいる勇者軍のメンバーは、先の三人ともうひとり。四人目はリイムたちの数歩後方に一人で立つ、スカッシュだ。言葉は発さず、表情と呼べる表情もなく、黒髪に黒い服装で佇む彼は、かの魔王ゲザガインの息子であった。リイムたちを欺き、一度倒れたゲザガインを復活させ、この王城に攻め入った敵将だったが、色々な経緯が重なって、現在は勇者軍の監視下に置かれるという建前上の処罰を受け、実態は一員である立場に甘んじている。
「ゲザガインがラクナマイト大陸に侵攻して以降、我が王国の危機は幾度となくあった……」
タムタムの言葉を引き継いだリチャードだったが、記憶のように刻み込まれた強い情動を静めるためかしばし目を閉じて、四人を呼び出した初めと同じく、再度見やってから先を続けた。
「……よほどの事情がないかぎり、魔物が暴れる危険な時期にうかうか出歩く物好きはそうおらぬ。自惚れの強い冒険者や命知らずもいようが、数が知れておる。……村は度重なる王国の混乱に、すっかり一般の客足が遠のいてしまったのじゃよ。だが、ここ数ヶ月、ようやく安定した改善の兆しが見えてきて……その矢先なのじゃ、今回の事件は。村長自ら陳情にやってきたほどじゃ、切羽詰っているのは間違いない。早急に解決せねば、せっかく戻ってきた客足が再び落ち込むかもしれぬ。そうなれば、呼び戻すのもまた時間がかかるであろう。……長らくの不振に、王国はずっと村を支援してきたが、いよいよ村民の生活が立ち行かなくなる懸念が強くなった」
それだけ聞けば十分だったが、リイムは自分たちが呼ばれたことを確認した。
「分かりました。それでその事件というのは、やはり魔物絡みですか?」
「うむ。……夜間のことらしいが、よく見かける魔物以外に、得体の知れぬ巨大な影を見た者もいるそうじゃ」
既にリイムの心が決まっていることを知っていて、リチャードも最後まで言った。
「いまの所の被害は、一部の建物が損壊した程度ということじゃが……。しかし、誰かが襲われぬとも限らぬし、魔物が現れる目的が全く分かっておらぬ。リイムよ、イーユの温泉村に魔物が現れる原因をつきとめ、村人や湯治客の安全が確かになるよう、解決して欲しい。頼んだぞ」
そして迷うことなくリイムは頷いて、勇者軍はイーユ温泉村に向かって出発したのだった。
「なーんだ、なんだ。ほんっとーに、人いねーな? やたらとだだっ広いが、こういうときはひとつ、俺様が奮発してお花でも咲かせてみるかー!」
村の第一印象に、勇者軍の中で誰よりも早く飛び上がって叫んだのは、丈の短いヒマワリの姿をした植物の精霊、サンフラワーだった。名前はミラクルといい、実際はライナーク王国の第一王女、ライム姫の客人扱いで勇者軍のメンバーではないのだが、勝手についてくるのを無理やり追い払う者がいないため、たびたび彼らに同行している。
「よぉおおおっし! まずは……」
「――もう、だめよ。あなたそればっかりなんだから、すぐ」
最初から呆れているタムタムが、揺れ始めたミラクルに、するなと釘を刺す。サンフラワーは植物を操る能力があるが、まったくいまは不要の力だ。害はおそらくないだろうが、やって良いことと悪いことがあるのだから。
当のミラクルは、タムタムのほうを振り返ってたじろいだ。
「だ、だって俺、お花よー? そう言われてもお花を咲かせるのが俺のお仕事なんだぜ、タムちゃん!?」
「あなたにここで仕事してねって、言ってないじゃない。とにかく、いまはだめだから」
「なっ、きびしーぜタムちゃん!?」
「いたって普通よ」
数え切れないほど、毎度のことである。タムタムも多少のことでは態度を変えない。ただしミラクルのほうも、さらりとあしらわれたところで、簡単に諦めたりしないのであるが。顔である花をぶんぶんと振るう。
「いやいや、こんなつまらなさそーな場所はお花を咲かせるに限る! それがサンフラワーの使命なんだ。そう、モットーは笑顔の花を咲かせよう! そうじゃないか!」
「いま思いついたでしょ」
「もちろんだ! いや……ですが、ですよ? だから、俺はいま、猛烈にメラメラと燃えてきた!? この身燃え尽きるまで、お花を……」
「お花って、燃えたらまずいんじゃない?」
「だっ……!? だだ、ダメでした……はい……」
しおしおと萎びる、ヒマワリ。勇者軍の光景としては全く珍しくないやり取りだった。そして反応するのも、いつものメンバーしかいない。
「適当にでも言えばいいと思ってさ!」
兎であるラビットマンのロビーが、鶏であるチキンマンのジョージが。
「いっつもいっつもその場限りでいい加減だよね、コケッ!」
左右から手とクチバシで、ミラクルの花びらをぐいぐい引っ張る。
「や、やめい! ラビットロビー、チキンジョージ!」
その騒ぎ出した三人の前に、大きな影。それは重い岩に手足がある魔物で、魔導生物であるゴーレムだ。すがる思いでミラクルは話しかけるのだが、
「み、ミッキー! お前、ほら戦友のピンチだぞ、なんとか言ってくれよ!」
「……」
「ミッキーはゴーレムだから話せませーん!」
「――ぃきゃぁぁ!」
ロビーの言う通り、ゴーレムは心があっても言葉を発する口を持たない。それでも何の支障もないのは、リイムがいるからだった。少し困った顔で、彼の通訳が入った。
「ええっと……ひとりでがんばれ、だって」
「この、薄情者めーーー! ぎゃーぎゃふあぁー!」
勇者軍は、ライナーク王国正規の部隊であるが、所属している者は圧倒的に魔物が多い。それはリイムの持つ、魔物と心を通わせることができる、生まれついての能力があるためで、彼は人間と魔物を全く区別しないのだ。魔王ゲザガインを討ったときも、彼の手助けをし、共に戦っていたのは、モーモーを含む友人、先々で友となった魔物たちだった。人間とは違う能力をもつ彼らは、リイムの心強い力となった。だから昔も現在も、勇者軍はリイムを慕う魔物たちが大半を占める構成で、主に魔物が絡む特務を行うことが多い特殊な部隊なのである。
「コケー! 大体、なんでついてきたんだよー」
そして、さきほど始まった三人の騒ぎは、最終に達するのも早かった。他のメンバー――リイム、モーモー、タムタム、スカッシュ、ミッキーが見守る中で、一気に。
「ばかいえ、なんか面白そうかもと思ったからついてきたに決まってるだろ!」
臆面もなく言い切る相手に、ロビーとジョージは口を揃えた。
「「これは遊びじゃなーい!」」
「ぐわきゃぁぁぁぁぁ!」
初めから真っ当なものなど期待していない問いかけに、堂々と興味本位の答えが返るとき、結果はいつももみくちゃである。
「……ロビー、ジョージ。ミラクルの顔が楕円っぽくなってるから、もう止めてあげてよ」
こうして、いい加減やかましくなってきたところで、放置もできないとリイムの制止が入るのが常だった。ロビーとジョージはしぶしぶ、手とクチバシを離す。
「仕方ないなぁ」
「リイムが言うから止めるけど、もういいかげん懲りなよ」
「くっそー……。いつかお前らのその耳とトサカに、お花咲かせてやるからな……! かっこ悪くな!」
どっちもどっちだろうと思われる雰囲気を残して終わる。そしてそれもまた、慣れていることを表すように、すぐに消えてしまうものである。ほんの数分の毎度。まあ彼らなりの、ウォーミングアップのようなものだと思えば。
「さて……じゃあ、まずは話を聞かないといけないね」
じゃれあってばかりいられないので、リイムがさっそく任務に移ろうと話すと、彼らの少し後方から声がかかった。
「なんだろうと思ったら……。もしや王城からこちらに?」
村の入り口近くには、ごく小さな小屋があったのだ。台を覆うようにして、風のない雨をしのげる程度の屋根を取り付けた簡素なもので、奥に棚があったり、台の上に紙の束があったりして、受付や検問のような建物だとすぐ分かる。勇者軍に向けられた声は、そこにいた、少し髪の毛も薄くなった壮年男性のものだった。しばらく、さきほどの騒ぎを見ていたらしいが、慌てた様子で小屋から出てくる。
「はい。僕たちは勇者軍です。国王よりこの村の事件を解決せよとの命を受け、やってきました」
「おお……っ。こんなに早く来てもらえるとは……。王様にお願いに上がってよかった」
リイムが答えると、駆け寄ってきた男性の口ひげが震えた。眉間に皺を作り、鼻をすするような様子を見せ、涙を堪えているように思えた。
「あの、あなたは……?」
男性が俯いて肩を落としたところで、少し困ったリイムは尋ねることにした。男性はすぐに顔を上げて、頭を一度下げた。
「あ、ああ、どうもすみません。自分はイーユ温泉村の村長です。魔物をどうにかしてくれる部隊を派遣すると王様がおっしゃったので、受付で皆さんを待っていたのです。……で、さっそくですが、村の中をご案内しながらお話したいのですが……構いませんかね?」
疲れているのなら仕方ないがと、急いで欲しい心情を含んだ言葉に、リイムはもちろん頷いた。
「ええ、お願いします。僕たちもそのつもりで任についていますから」
「えー!? 一番近い町からでもちょっと遠かったし、俺様ちょっとおつか――れひっぶ!」
ひとり不満そうな口を開きかけたそれを、左右からロビーとジョージが、前から屈みこんだタムタムが同時に阻んだ。引っ張られ、口を塞がれたそれが視界に入るが、村長はなんとか弱弱しい笑みを浮かべて歩き出した。「勇者軍といえば、あの勇者軍のはずだよなぁ……」などと、耳の良い者にはそんな呟きが聞こえてしまったのだが、その中のひとりであるモーモーは細かく考えない人物なので、全く気にせずに言った。
「さあ、行こうぜ。お前だって、まだこれくらいでへこたれたりしないだろ? すんでからゆっくり休めばいいモー」
「っぷはぁ! ――って冗談だよ冗談! 俺だって人助けのほうが優先だって! そうじゃなきゃお花なんてやってないって分かるだろ! 過剰に反応しすぎだってばさ!」
「そうだったら紛らわしいこと言わないの。はずかしいじゃない、もう」
顔を振り出したミラクルを離し、立ち上がって呆れた様子のタムタムだが、ふくれる彼女にスカッシュが微妙な視線を投げかける。それにタムタムは気づく。
「……なによ?」
「……いや」
彼としては何度も言っていることなので、あえて口にせず、リイムが歩き出したことを幸いのきっかけとし、自らも歩き出して不満ありありの視線から逃れた。
「……言いたいことははっきり言わないと分からないわよ?」
タムタムが進む背中に文句を突きつけた横で、ミラクルも顔を突き出す。
「そうだそうだ! だから俺はいつも遠慮なくずばずば言ってる! ――むぎゅう……」
あっさりと口を塞がれ、再度沈黙させられた相手に向かって、残る二人が多少は同情的な表情をしながら、疲れたように言った。
「見境、分別ないのはダメなんだって……」
「コケコケ……」
それから、立ち止まったままの四人に向かって、リイムが後方を振り返って促す。
「さあ、タムタムたちも。村長さんについていこう」
はずかしい四人は、緩やかに下る坂を小走りに後を追いかけた。
「イーユ温泉村には、大小、泉質さまざまな温泉が三十以上ありましてね……ラクナマイト大陸でも類を見ない、湧水豊かな温泉が集中する地帯です。難点があるとすれば、ライナークが大陸の外れにあることでしょうか」
先頭に立って村を案内する村長は、リイムに折りたたまれた紙を渡した。見覚えがある、村の入り口の小屋に積まれていた紙だった。それは三つに折りたたんであり、左右に開いて見るもので、村の地図や各温泉の紹介が書いてあった。
「……イーユ温泉村パスポート?」
「まあ、案内書兼、入浴券なんですが。この村の温泉へ入浴にきた方には、受付でそのチケットを購入してもらうんですよ。それを持っていれば、村営の温泉にどれでも一日、営業時間内なら何回でも好きなだけ入ることができるんです」
「そうですか……」
返す疑問もないので、リイムはとりあえず短く相槌を打った。隣ではモーモーが、なぜか難しそうな顔をして、ガイドの紙を覗き込む。
「村営の温泉は十ほどあります。後は村人が個人で管理、営業する温泉ですので、別途入湯料をもらう仕組みになっています。宿屋を兼ねているところもあり、また宿には全て温泉があります。それから、温泉も休業日がありますが、交代でどこかの温泉がやっていますので、入れないということはありません。心配なしです」
「はあ……」
とりあえず、事件に関係なさそうな話しであるし、やはりどう答えたものか分からないので、リイムは生返事だけ。そうして数分も経たないうちに、村長の話は営業トークになっていた。
「イーユの温泉はすばらしいんですよ。村長の自分が言うのもなんですが、お安いパスポートを購入するだけで、十分温泉を堪能できます。ああ、もちろん個人営業の温泉が悪いと言っているわけではありません。みんな、さまざまなサービスでお客さまをお出迎えしていますよ。ここでは必ず、目的にあった温泉が見つかります。お客さまにはいつも満足していただいています。本当ですよ、これは自信があります」
村長が自慢げに話している間に、リイムは後ろからマントを引っ張られた。見上げてくる相手はロビー。どうやらパスポートが見たいそうで、渡してやる。
「……この村のご老人はみんな元気なんですよ。生まれたときから温泉に入っていますからね。長生きでもあります。病気をする者も少なく、進んで働いています。温泉は本当にいいものです。もちろん私も毎日入っていますから、いままで大病を患ったこともありませんよ」
語りを聞きながら、リイムは側を通り抜ける建物を確認していた。ほとんどの建物に看板や立て札があり、温泉の名称や効能が書いてある。ざっと見ると、低い位置の温泉には全面に柵や壁があるか、宿屋の内部にある内湯に、高い位置の温泉については、露天風呂がちらほらあるようだ。
そして後方からは、密やかなのだが賑やかでもあるひそひそ声が聞こえている。ロビー、ジョージ、ミラクルが騒いでいるのはまず間違いない。もちろん、パスポートを見ながら。まあ、タムタムも混じっているかもしれないと思いつつ、どうしたら話の腰を折らずに上手く事件の話に繋げられるかと、リイムは村長の口上に耳を傾けていた。
しかし、ミラクルが嬉しそうに声を上げた。
「なーなー、村長さん! この紙に書いてある、フラワー温泉ってのはどれだ? すっごく興味があんだけど!」
「ああ、それはマーヤのところの温泉ですな。香りのよい花が浮かべてあるのですが……。ええと、ほら、あそこですよ」
「分かったぜ。なるほど、お花で囲んであるとこな! じゃあちょっと行ってくる!」
誰かが制止をかける間もなく、振り向いた村長が指を指した建物へ、ミラクルは一直線に飛んでいく。花の咲く生垣で囲まれている部分に、温泉があるのだろうが。
思わずそちらを見やって、足を止めた一行の中で、また新たな声が上がった。村のパスポートを持って、露骨に顔をしかめたロビーだった。
「ねえねえ村長。この……サマービーチ温泉ってのは、なんなの? ものすごくミスマッチに聞こえるんだけど……。ビーチってつくぐらいだから、やっぱり海?」
「はい。ほら、海を知らない人もいるでしょう? 広さは出せませんが、少しでも海のような気分を味わってもらえればと。海からもってきた砂が敷いてあるんですよ。貝で飾り付けてあったり、タコの置物がありましたな。それから塩が入っていますから、しっかり海のように塩っ辛いです」
ロビーの眉間のしわが、増えた。
「……。どこがサマー……」
「ははは。温泉の命名については、こちらが指示するわけではないので。語呂がいいとか……? でも、面白いとは思いますよ。温泉はゴツゴツした岩で囲まれていまして、PRしている磯の香りもよい演出だと」
「磯……?」
「なんか、海産物が似合いそうだね」
何となく思ったことを口にしたジョージに、絶句状態で言い返す言葉がないらしいロビー。
ふと、話がもう続かないと思ったジョージは、ロビーの横で一瞬考え、自分が場を繋ぐべきだろうかと、その固まった手にある紙を指した。
「これは想像がつくよ。白鳥の舞温泉……コケ」
「うん、そうですねえ。そこは、バトルスワンのダンサーたちが、入浴しているみなさんを素敵なダンスでおもてなしする温泉ですから」
ロビーの姿が見えないはずはないのだが、わりと機嫌よく、次々答える村長。しかしジョージもまた、隣の彼のように、疑問しか思い浮かばなかった。
「でも思ったんだけど……。温泉に入るなら、周りで踊られるとうっとうしい気がするような……」
対して村長は、すぐに否定した。
「それは心配ないですね。ゆっくり温泉に浸かろうという方は、はじめからそこに行こうとは思わないでしょう?」
「コケ……。確かにそうかもしれないけど……。それでいいんだ……。コケケ……」
元々対象を絞っているとの答えに、ジョージは少し感心しつつ、たぶん人気はないんだろうなとこっそり思って、村長を見上げたものだ。全く気にした様子がないどころか、誰が言っても崩せそうにない自信を持った相手を。
「多くの温泉があるから、少し変わった試みもできるんです。我々は新しい温泉の楽しみ方も提供しているつもりですよ。ただ数があるだけでは、だめなんです。他にはないものをイーユの温泉は目指しています。同じようなものばかりでは、お客様も飽きるだろうと、我々はいつも考えています」
すらすらと、しかも確固たる口調である。他人がどうこう言っても揺るがないのだ。
そんな村長を尻目に、げっそりとしていたロビーはごく小さく囁いた。
「ここって温泉の叩き売りみたいだね、なんか……」
それから、うさんくさいものを見る目つきでロビーがパスポートを裏返すと、背中を前に少し屈ませた形でそれを見ていたタムタムが、少し上ずった声を上げる。その視線が釘付けの部分は、今月のおすすめと書いてある欄だった。
「け、ケーキバイキング温泉……!」
「それはもう、温泉は関係ないだろう……」
口出しするつもりがなかったのに、我慢しきれず口にしてしまったらしいスカッシュは、ずいぶんと憂鬱そうだった。しかし、タムタムがすぐに次を読み上げると、完全に口を閉ざしてしまう。
「私はいいと思うけど。変わったイベントもあるわね。『キャンペーン中の温泉に入ってスタンプを集めよう! 貰ってからのお楽しみ、豪華景品プレゼント』」
「……」
そんな周囲の反応に興味が出てきたのか、じっとしていたミッキーがどこか楽しそうに、ロビーに近づいた。
「…………!」
「おっ? ミッキー、温泉に興味あるのかモー? しっかし、ほんと色々な温泉があるな……」
一度ちらりと見た温泉村パスポートだが、じっくり見なかったため、モーモーも身を乗り出して再度確認している。リイムはミッキーの声に、耳を傾けた。
「え? 立って入る温泉がいいって? そうか……深いからだね。普通の温泉だったら、ミッキーはほとんどお湯に浸からないだろうし」
「確かに、ミッキーにはちょうどよさそうだモー」
「でも、僕やロビーには深すぎるね、コケケ」
自然とみんなが参加して、話がそのままずるずると温泉に流れそうになったとき、赤い熱気を帯びた顔のミラクルが飛んで帰ってきた。
「――うわははぁ!」
ふにゃふにゃと顔を揺らす。どこか危なっかしく、全体がふらふらしている。
「大変だぁ! お花の温泉なのに、なんであんなにお花が少ないんだぁ! 思わず俺が追加しちまったぜ、山のようになぁ! ……わはゃ!?」
ミラクルの声が潰れたのは、タムタムがすかさず持ち上げたからだ、両手で顔を持って。
「あなたね、どうしてもう温泉に入ってるの……! 勝手な行動しちゃだめじゃない。しかもこんなにのぼせて……」
掴んだミラクルに顔を近づけて説教するタムタムには、迫力がある。そして、誰もそれを止めることがないから、ミラクルは体と思われる茎を揺らすだけ。もがくように。
「だ、だってぇ……。いや、た、タムちゃん最後まで聞いてくれよっ! 温泉やってるおねーちゃんに喜ばれたんだよ! ぁあ、感激したおねーちゃんに、ずっとここにいませんかって言われたけど、俺は……俺は、姫様の元にいなきゃいけないんだって答えたんだ! もう守る人がいるんだよって! そうしたら、分かってくれたぜ! でさっ、だからさっ、とりあえずお礼がしたいって言われたから、温泉入ってきたんだよ! そーだ、言っとくけど、お花は温泉に入っちゃいけないんだぜ、しおれるから! でも断れなかったんだよぉ! なんか、言うじゃんか? 据え膳食わぬはお花の恥って! ……ちくしょう、いい湯だったぜ! このとおり二分でふらふらだ! ふふ、ふぎゃぎゃっ!?」
調子に乗ったミラクルは、リイムがロビーとジョージに言ったときのように、楕円になっているような感じ。
「ライム姫の元にいないといけないなら、なんで私たちについてきたのかしら……。すっごく、おかしいわよね? あなた、姫様に何を言って出てきたの? なんか面白そうだからついてきたって、さっき口にしてたような気がしたんだけど……。お城に戻ったら、うかがってみようかしら」
「ずびぁぜん、ぎょべんばずぁい……」
赤かった顔が一瞬で真っ青になって。タムタムは頷くとミラクルを降ろした。
「よろしい。……とにかく、任務中なんだから勝手な行動は慎んでね。あと、変なこと言わない」
人間でいうと乱れた髪の毛を直すようなものか、ミラクルは花びらを揺らした。
「ひー……。でも任務ってさぁ……事件の話、してないじゃんさぁ……。王様に直接泣きつくぐらい、早く解決したい問題だって聞いてたわりにはさぁ……」
そのつぶやきに、ミラクルを見ていた視線は一斉に村長の元へ向かった。いつの間にか、背を向けてしゃがみこんでいる相手に。
「あの……村長?」
あの間に何があっただろうかと、戸惑いつつリイムが声をかけると、涙する寸前と思われる、表情をぐちゃぐちゃにした村長が飛び掛るように迫ってきて、さすがの彼も少し身を引いた。
そんな反応はお構いなしに、村長は肩を震わせて訴えかけてくる。
「ううっ……。いつも、こうやって……自ら出向いてお客様のご案内をやってきたんですよ……! やっと、忙しくなってきたって、思った矢先なんですよ……! やっと、お客様が戻ってきたんですよ! 何年ぶりの盛況だろうかと、この前みんなと羽目を外すほど喜んだばかりだったんですよ! それなのに、こんな……酷いじゃないですか……!」
「えっと……落ち着いてください、とりあえず」
「――落ち着いてましたよ! ええ、ええ、落ち着こうとしてました! 落ち着いてみなさんにお話しようと、だから努めて自然に、普段やるように村の案内をしたんですよ……冷静になるつもりで……。でも、だめです! ぁあ、やっぱりだめなんですか! もうこの村は!? いよいよ、生まれ育ったこの村を出ていこうとする者もいるんです! でも、引き止められますか!? みんな苦しんできたんです! これ以上、先の見えない中で悩み、苦しめと誰が言えますか……! 王国に支援してもらっても、限界です……! 納めるものも納められていないんです、何年も……! 村の蓄えはもうからっぽで!」
周りが見えていないのだろう。誇らしげに話していた態度は打って変わり、頭を抱えて取り乱す村長だったが、リイムは静かに言った。
「……村を救うために僕たちは来たんです。困っているのは分かりますが、だからこそ早く解決できればと思っています。まず、今回の事件について話してもらえませんか?」
村長はがっくりと肩を落とし、うな垂れた。「すみません」と一言添えて。
「……この村は、温泉による収入だけが頼りです。地熱が高いので、寒冷地に近いわりに寒くならないのですが、土地が痩せていて土壌部分がとても浅く、作物は育ちにくい……。内陸ですから海は遠いし、主だったあらゆる交易のルートから外れている……。だから商人もあまりきません。温泉を知っている、温泉目当てのお客ぐらいしか、この村にはまともに訪れないんです……」
まだ事件に触れていない。だから沈黙となったその場で大きな溜息をつくと、苦しげな様子のまま、村長は言葉を続けた。
「待ってばかりではいけないと、我々は国内の度重なる混乱で減ったお客を取り戻すため、よその村や町へ営業にでました。おかげで大きな町に拠点をもつ、さまざまな名所の案内やアドバイス、道中をサポートするなど、旅を斡旋している商業組合と契約にこぎつけ、積極的に村の宣伝をしてもらえることになりました。そして、何度も話をし、特典がある企画を考えて、いよいよ組合の紹介によるお客様が村にやってきました……。傭兵のガードと添乗員が付いた団体客で、もちろん我々は歓喜してお出迎えしました。そこまでは何の問題もなかったのですが……」
「そこで魔物、ですね?」
リイムの問いかけに重く頷く村長。さらに続ける言葉も、次第に重く苦しくなっていった。
「はい……。お客のもっとも関心が高かった温泉は、やはり、大陸一広い露天風呂でした……。夕方にこの村へ到着されたので、宿泊の準備をすませたお客様の入浴は、夜間になりました。そしてその夜、お客様が入浴している最中に……魔物が、魔物が現れたんです! マウスマンやオーク、バットマンなど、よく見かける魔物が最初に現れ……驚いた皆様が慌てて逃げだす途中で、温泉の中からとても大きな影が現れたのです……。明るくするため、灯火をつけてはいましたが、なにぶん夜間のことですし、それが何なのか……。誰もが一心不乱に逃げ出したので、分かりません」
「でも、傭兵がついていたんですよね? その人たちは? 王国の兵士も駐在していますが、彼らは?」
ライナーク王国は、大陸の中でも特に平和な国に分類され治安も良いほうだが、それでも魔物や賊の被害は日常的だ。傭兵のなりわいはさほど珍しくないし、どんな小さな村でも、王国の兵士は派遣されている。また、自警団を結成している町や村も少なくない。だから、誰もが逃げ惑うばかりではなかったはずだと、リイムは考えての質問だった。しかし僅かばかりの村長の仕草は、首を横に振ることだった。
「それが、傭兵の方々は道中の安全を守ることが契約の仕事なんだそうです……。ですから村の中、入浴中の警護まで行っておらず宿で休んでいました。騒ぎのせいで傭兵や兵士の方々は、もちろんすぐに飛び出していきましたが、その頃にはもういなくなっていたそうで……。相手の正体も判然とせず、数も分からない状態です。探すために村を出て追跡するようなことはさすがに、みなさんしませんでしたから」
「……そうですね、それは正しい判断だと思います。では、誰にも被害が全くなかったということで、間違いないんですね?」
「ええ、幸い。お伝えした通り、被害があったのは、着替えのため周囲に設置してある脱衣所の小屋がひとつだけです。何があったのか分かりませんが、完全に潰れていました」
村長の口からは、リイムたちが王城で聞いた以上の話は出てこなかった。リイムは聞き方を変える必要もあるかもしれないと、しばし黙考に入ったが、そこでミラクルが頭を振って跳ねた。何事かと目が行く。
「ほいほい、俺様しっつもーん! 大陸一広い露天風呂って……混浴?」
混浴という言葉に、何か想像したのかタムタムが赤くなるが、ほとんどの者は呆気にとられた。村長も同じく、問われたから答えるというだけの反応で、考えが及ばず不思議そうに。
「え? ……ええ、はい。そうですが、あの時は特別に団体客の貸切にしていましたので、時間帯をずらして男性と女性は別々に入浴することになっていましたね……」
「そん時はどっちだったんだ?」
「ええと……確か男湯ですが……」
一体何が関係あるのかと誰かが言い出す前に、ミラクルはなぜか残念そうに身を仰け反らせた。
「ちっ! じゃあのぞきじゃなさそうだな! ……ぃぎゃぅ!」
即刻タムタムに掴まれ、口を塞がれてしまったお花のもがく姿。
場の出来事についていけず、茫然と見ている村長だったが、それでも自分が答える側だと思ったようだ。
「この村は温泉以外なにもありませんから……魔物の被害といえば、過去に一度しかありません。まさかその日……よりによってその時、村に魔物がやってくるなんて……想像の範疇には……」
響きはただのつぶやきだったが、二名の縺れ具合や、それを見ている周囲の雰囲気を気にする様子のないモーモーが、ごく普通に首をひねって問いかけた。
「なあ、その一度って何があったんだモー? 今回の件に関係あんのか?」
「それは……どうでしょうか。さすがに数年前ですし、分かりませんよ。あの時は……ゲザガインが大陸の国々を次々と制圧し、ライナークにも攻めてきた頃の話ですが。温泉や村の建物を荒らされました、ゲザガインに」
まさか出てくるとは思わなかった名に、リイムは少し驚いた。それが父親の名前であるスカッシュも、僅かながら目を細めた視線で反応した。
「――えっ? ゲザガインがきたんですか、この村に」
「はい。凶暴な魔物を引き連れて、何をしていたのか分かりませんが、温泉を見ていたようで……。そのうち建物を幾つか壊して、去って行きました。やってくる前にかろうじて避難できたので、村人の被害はありませんでしたが。当然ながらそのころは、大陸全土の危機だった一番危険な時期で、温泉客も全くいなかったですし……。何がしたかったのか……隠れていた我々には分かりませんでした」
そこで、タムタムの手を押しのけて高笑いが響く。
「――はっはっはっ! それこそのぞきだろう! でも温泉に入ってる人すらいなかったもんだからよ、怒って腹いせに壊して帰ったんだよ! どうだ!? 俺様の鋭い読み、合ってるだろ、スぎやあぁぁぅう……」
スカッシュが嫌そうに目を伏せるのと、花びらを引っ張られたミラクルの顔が楕円になるのはだいたい同時で。周囲が何となく、目のやり場やかける言葉に困っていると、さすがにこの状況では眉を顰めるしかないリイムが、そのままの顔で村長に向き直った。
「すみません、話の続きをお願いします……」
はずかしそうにぱっと手を離すタムタムと、口を開け閉めして「ふがふが」言う先を村長は見てしまったが、リイムの困った表情に、そちらからすぐ目を逸らした。
「続きですね……。ええっと……その、とにかく、誰一人怪我もなく、お客様も無事でしたが、次の朝すぐにお帰りになりました。当然ですが……。安全を謳ってお客の旅をすすめているのですから、組合はかんかん。責められたばかりでなく、賠償金を請求され、契約破棄を突きつけられてしまいました……。商売上、ほとんどの地域の情報を把握しているところですから、事件の話はすぐに広がっていると思います……。危険な場所として警告されているかもしれません。……少なくとも魔物が出なくなり、安全である確証を得られない限りは相手にしてもらえませんし、破棄の撤回をしてもらうことも無理でしょう。もう、ほんとうに我々はどうしたらいいのか……」
話すうちに塞ぎ込んでしまったらしく、再び泣き出しそうな様相になった村長へ、リイムはしまったと思い、慌てて質問した。
「あの……それで、魔物が現れる温泉はいま、どうなっているんですか?」
「大陸一広い露天風呂はあの日から、封鎖して利用禁止にしています……。もう十日以上経ちます……」
やりきれないという表われか、村長は震える口元辺りを右腕で隠しながら話した。リイムからすれば、質問しにくくて仕方ないのだが、黙ることも気遣うわけにもいかず、これで最後にしようと問いかけた。
「魔物は……? それから、兵士はどうしていますか?」
「駐在している五人の兵士の方々は、我々に直接の被害がない間、あなた方がくるまで監視の命を受けたそうで、遠くから交代で温泉を見張っています……。魔物は、いまのところ二、三日に一度、夜間に現れるようですが……やはり遠目と夜間のことなので正体が分からないそうです……。しかし、大きな何かが現れているのは間違いないとか……」
いよいよ、目頭を腕でこすり始めた村長の前で、リイムは考え始めた。
「……大きな何かか。露天風呂に現れる魔物の目的が何なのか、分かっていればいいんだけど……聞いた限りじゃ分からないな」
そこで何か焦っていたらしいタムタムが、一気に駆け寄ってくる。
「まずは調べることよ! 現れる場所が決まっているなら、もしかしてそこに何か手がかりがあるかもしれないわ。基本だし、大事なことでしょ!」
力説する彼女に、モーモーは二つ返事のような気軽さで言った。
「じゃあ、そのでっかい温泉にいってみるってことだな」
「おお、いくぞいくぞー!」
復活したミラクルがくるりと向きをかえる。誰からも異論は出ない。リイムも特になかったので、すぐに話を決めた。
「うん、一応兵士たちにも直接話を聞いてから、温泉とその周辺を調べてみようか。……では、僕たちは兵士たちの詰め所にいこうと思いますので、これで失礼します。早く解決できるよう、がんばりますから……気を確かに持ってください」
「ううっ……。どうか、どうかお願いします……」
こうして、次の行動に移るため、リイムたちはちょっとした気遣いの言葉を村長にかけると、その場を離れた。
<はぁ……>
やる気がないけど上げまっす。ほんと辛いです、ぐぉぉぉおおん。
とりあえず、前あげたのから一年も経たなくてよかったです……。
題名がゲームのシナリオ名みたいですが、勇者軍の日常的な任務の話のつもりなんで
こんなもんかも。
ちなみに9月末頃にはできるかなーと思ってたんですが、全然だめでした(苦笑)
温泉の話だから時期的に少し早いかもーと思ってたのですが、いい時期ですかね……。
この<1>と次の<2>を一まとめにして、<1>として上げるのが良いのですが、
そんな気力ないので分けました……すみません。
校正も推敲もだるいです。だるいぞおおおおお! めどいぞおおおおお!
いい加減なのはいつもですから生暖かい目で見守ってやってください……。
イーユ温泉村
いい湯温泉村です。虹でクイズ村とかあったからこういうの普通にありかと。
アラビア
で・ま・せ・ん!
留守番です。お城でごたごたする場合は出てくるのですが
勇者軍が出かけてる時はめったに出番ないのです。
なぜかというと以下略。
面倒から書かないけどちゃんと理由ありますからね!?
リイム
相変わらず書きにくい奴だ。
タムタム
どんどん酷くなっている……。どうしませう。
さらに今回は酷い出番しかないです(苦笑)。花がいるからますます酷く。
たぶん、ギャグだから酷いのでシリアス話さえ書ければきっと……。
スカッシュ
私が書くものなので相変わらず出番は多めになりますが、今回はいいところがないです。
なんかもー任務の度に悪い予感でメランコリックなのです。
ヒマワリ
前回はロクな出番もなかったのですが、今回はよくしゃべってます。
これとタムタムがいると酷くなるようです……。
ロビー
ヒマワリによく絡む兎です。よく眉間に皺がよってます。
少し捻くれることもある、そんな性格ですが、ほとんどの人には素直です。
勇者軍所属の大勢の魔物(笑)の中では出番が多いですかね……。名前もちゃんと出すし。
ジョージ
大体ロビーとセットで出てくることが多い鶏肉ですが、ロビーより温厚です。
ロビーと話し方が似ているため分かりにくいのですが、コケコケなので……。つかない時もありますが。
「ミラクルの顔が楕円っぽくなってるから、もう止めてあげてよ」
伸びるのだろうか……。
はずかしい四人は、緩やかに下る坂を小走りに後を追いかけた。
いうまでもなく、タムタム、ミラクル、ロビー、ジョージの四人なのですが……。
タムタムはもう、彼らと同じ扱いなのですねえ。
「王国に支援してもらっても、限界です……! 納めるものも納められていないんです、何年も……!」
資金援助するばかりで何年も税金を納めていないわけです。
この村だけがずっと優遇税制の対象なので、問題視されているのです。
他の村や町と違って一向に改善されない村の財政に、援助金の使用目的を限定するだの
いやいや温泉を国営化するだの、保障について是正する声も上がっており、王様も頭痛いのです。
うむ。
旅を斡旋している商業組合
何が近いかといえば、旅行業者とか旅行代理店とかそういうの?(苦笑)
移動手段はほぼ徒歩なので、ツアーはさすがに国内のみでーす……。
各国のギルドがだいたい提携してるのでネットワークは一応大陸全土です。
国内外の地図や観光地、名所の情報とか、治安、戦争や紛争なんぞ旅先の情勢の提供。
道中のボディーガード紹介なんかで金を得ています。たぶん。
王国の兵士
ライナーク勢で戦ってるといえば、リイムたちしか見えないので、どうなっているのか謎な存在。
でも、騎士団は存在しているようなので、普通に考えればいるのでしょうが、マテドラル兵みたいなのだろうか……。とりあえず、ほとんど役に立たない存在なのかもしれない(苦笑)
「どうだ!? 俺様の鋭い読み、合ってるだろ、スぎやあぁぁぅう……」
なんかはっきり否定できないところが辛いところの誰かさんだったり。
微妙に中途半端で続きます……。
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